7月――
日照りも強くなりそろそろ肌が焼けてもいいくらいな気温になりつつも、堅苦しい制服を着続けて一ヶ月弱。衣替え直後には肌寒く感じた頃が懐かしくも思えた。
半袖のワイシャツでも教室内は蒸し風呂状態。風というクーラーがなければ真面目に授業を受けることなんかできない。
今日は15日。もう少しで夏休みだ。後数日の辛抱だ。
『――それでは、今日はこの辺で。みんな、気をつけて帰るように。』
授業を終えた後のHRが妙に長く感じる。先生の口からもそんなに重要なことは言ってなかったと思う。
鞄から自転車の鍵を出し、制服のズボンのポケットにしまい、教科書を鞄に入れる。
宿題もそんなになかったので教科書が幾分か軽く感じた。
さようなら、も一言も告げずに俺は教室を後にした。
昇降口までスムーズに進み、下駄箱からゆっくりと靴を取り出す。
買ったばかりの靴と思っていたのがよく見ると少々砂埃などが付いていた。帰ったらキレイに磨こう。
足早に駐輪所に向かい、自分の自転車を探す。入るときは自転車は少なくていいが、出る時となると入れた時より多く駐車されてるからなんとなく出にくくなっている。他の人の自転車を倒さないようにゆっくりと自転車を引く。
うまく抜け出し、正門まで手押しで進んで行く。
正門から抜け出した後は駅まで一直線の道を進んでいく。途中交差点の信号があるが、国道のような大きな道ではないので待たされる時間はそう長くはなかった。
今回は信号にも捕まらず、スムーズに駅につくことができた。
何故急ぐのか。それは早く行くと空いている電車に乗ることができるのだ。
対人恐怖症ではないが、人ごみは極力避けている。これは小さな時からだった。
なにより、高校生活の中で、俺を見る目はそんなに良くない眼でこちらを見ていると思う。そんな奴らと一緒な電車に乗るのは相手を嫌な気分にさせるだろう。
そんな眼で見られたくもないし、させたくもない。
だから俺は一人、みんなより早い電車に乗っているのだ。
もちろん朝も。
こうして、7月15日の高校生活は終わった。
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