エピローグ ★4

サアアア……


上司「お~、やっぱり夕方になると涼しい風が吹くな」


タッタッ


男「こんばんはー」

上司「よう。久しぶりやな」

男「今日はお誘い有難うございます」

上司「あ~、堅苦しい挨拶は置いとき」

男「は、はい。あの、今日は花火を見ながら夕食だとか……」

上司「ああ、そうやで」

男「どこに行くんですか?」

上司「まあ、着いてのお楽しみってやつやな…………お、来た来た」


パタパタ


風邪「遅れてすいませーん」

男「ん……んん!? ゆっ……浴衣!?」

風邪「お待たせしました……」

上司「お前なあ、あんまり走ると転ぶで」

風邪「もう、転んだりしませんったら。男さん、こんばんは」

男「あ、こんばんは。今日は浴衣なんですね」

風邪「えっ? はい、今日は屋形船で花火を見ながら夕食だと聞いたので。そう……ですよね上司さん?」

上司「ああ、そうやな」

男「ええええ! 上司さん! 何で俺には教えてくれなかったんですか!?」

上司「え、いや何となく」

男「ううう、酷い……(前もって知っていれば、俺も浴衣着て来たのに……)」

上司「(おーおー、おもろいほど落ち込んどるな。いやあ~、やっぱりコイツもからかいがいがあるわ)」

男「お揃い……浴衣……」

風邪「男さん……? どうしたんですか?」

男「いえ、何でもないんです(ああ……その浴衣姿に癒やされる……)」

上司「男くんや」

男「は、はい!?」

上司「今日な、屋形船に男物の浴衣を用意しとるんや」

男「本当ですか!?」




風邪「(あっ……、足と履き物の間に石が入っちゃった……)」


ピタッ



上司「まあ、着せてやらんこともない。ただし、儂との飲み比べに勝ったらや」

男「ぐっ……! ま、負けませんよ」








風邪「(よし、取れた……。ああっ! 二人とあんなに距離が……)」


風邪「…………あ」

風邪「(夕焼けがすごくきれい……)」




泣きくらいに美しい景色の中に

大切で大切で仕方ない人たちが2人もいる

私は、その平凡な一瞬がすごく贅沢に思える

だってこんなにも幸せな事は他にはないから




風邪「幸せだなあ…………」







上司「うん? アイツがおらんぞ」

男「え……本当だ!」

上司「あ~、あんなに後ろにおるわ。おーい!」

男「あー! 走らないで! ゆっくりで大丈夫ですから!」


タタタッ……


風邪「はあっ……す、すいません」

男「いえいえ、俺たちこそ置いていってしまって」

上司「あんな所でポカーンとして何しとったんや」

男「あ! もしかして履き物が足に合わないとか……」

風邪「あ、違うんです。少し幸せにひたっていたんです」

男・上司「幸せ?」

風邪「はい。あのですね…………」







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匿名読者
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