しかし驚いたものだ。
この世にまだ吸血鬼がいただなんてな……しかもこんなに堂々と魔力を放っている。
私が先ほど仕掛けた魔術「魔力相殺探知」のおかげでここにいる魔術師が数人いることは確かめたのだが、ここはまず吸血鬼退治が最優先だろう。
いくら無害とはいえほうっておくわけにもいかん。一先ずその強い魔力を放つ現場へと急行した。
――――――――――
特に眠い気はしない。
が、なにやら森に霧がかかって来たみたいだ。目の霞ではなさそうだ。
落ち着いて目を閉じる。どうやら術者の術ではなく自然現象らしい。
少し肩をなでおろすと再び歩き始める。私はそうとう遠い所から来てしまったらしい。
と、なにやら一つ、魔力を持つ者が一人空から近づいてきている。
おそらく、結界の術者だろう、相当早い到着だと思う。
私は落ち着いて空を見上げる、が、生憎、空は森の木々でふさがれてしまっている。
「そこにいるのはわかっているわ!少しお話があるから私の後についてきなさい!」
声からして女性の声と判断した私は、ゆっくりと進む彼女の気を後を付いていくことに。
少し歩くと森の吹き抜けがあり、そこにたどり着くと宙からさっきの声を発した女性と思われる少女が降りてきた。
どうやら少々気が立っているようだ。
私は身を引き締めて彼女の近くまで歩くことに。
――――――――――
「あんたねぇ、いったい何時だと思っているの!?」
早速の説教の第一声が時間云々とは、まぁしかたないか、彼女の睡眠を妨げてしまったのは変わりないからな。
「すまない、私も急用でね」
私はなるべく失礼の無いように受け答えをする。
「急用…? …あなたまさか自力で?」
「無論そうだが?」
私にとっては造作もないことを彼女は信じられないような出来事のように血相を変えている。
「結界を破壊してしまったことには深くお詫びを申し上げるよ。どうか、許してくれないか?」
「……いいわ。けど許す代わりに今すぐここを出て行ってちょうだい」
すると、なにやら彼女は私を危険人物と気付いたらしい。
はは、なんという勘の強い子だ。これには私も何もいえないか。
「あぁ、すぐに出よう。しかし、こちらも用があってね。終わり次第ここを出るよ」
「……さっきから用事用事とか言ってるけど…いったいなんなの?」
彼女の目つきは変わらないままこちらをにらみ続けている。
私は彼女にここに来た理由、霧雨魔理沙を連れて行くことは言わずに霧雨魔理沙を探していると言った。
彼女に正直に言っても会わさせてくれないのがおちだろう。
「……魔理沙に?」
「あぁ、そうだ」
「何をしに?」
さすが、鋭い女性だ、内心もすっかり読まれている。
私がしばらく無言でいると、彼女はすぅ、と宙に浮き始めた。
「悪いけど、貴方には出て行ってもらうわよ。もちろん魔理沙には会わせない。」
宙に浮いた彼女の眼は本気の目だ。このままだと、下手をしたら外に追い出されてしまうかもしれない。
まぁ、もし私が「下手」をしたら、の場合だが。
彼女が戦う意志を見せているのだからこちらも相応に相手をしなくては。
私は空に浮く少女を見ながら右手を強く握った。
。
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